北千住の裏路地のワイン食堂@山口夫妻の独立日記 #3

 

こんにちは
ワイン食堂「WINE & DINE Vinogris」オーナー山口裕大です。
今回は、ピッツェリアやビストロなどで奮闘した日々、そして、次に進もうと決意したお話をお伝えします。

日本橋のピッツェリアで最初の試練

21歳で飛び込んだのは、日本橋にある46席の肉・モツが自慢のピッツェリアです。

現在、私が経営するワイン食堂「WINE & DINE Vinogris(ワイン&ダイン ヴィノグリ)」が肉主体のメニュー構成になったのは、日本橋のピッツェリアや、後に勤務することになる虎ノ門のビストロで経験したことが大きいです。

まずはホールのトップとして接客を始め、店舗運営のイロハを学びました。
しかし、ここで最初の試練が待ち受けていました。
ピッツェリアでは、スタッフ全員の賄いをホールスタッフも担当しなければならなかったのです。
当時の私は全くの料理初心者、そんな自分がいきなり業務用のデカいキッチンで、週に一度8人分の料理を作らなければならなかったのです。

もうとにかく必死で勉強しました。
本を買い漁り、自宅の狭いキッチンで毎晩試作。プロが口にする料理を、自分がこしらえなきゃいけないプレッシャーは半端じゃなかったです。
料理の”さしすせそ”すら良くわからないのに、”毎週必ず来る当番制”、”予算カツカツ”、”時間制限アリ”という状況に本当に苦労させられました。

そんな状況下でも、恥をかきたくない気持ちと、少しでも美味しいものを皆に食べてもらいたい!という思いが自分を奮い立たせ、思い付いたレシピをガムシャラになってノートに書き溜めていきました。
気が付いたら、書き留めたA4ノートは、20冊以上になっていました。今思い返すと、あの時に書き溜め続けたノートが、現在の自分のベースになっていることは間違いありません。

一から店舗つくりを学んだ虎ノ門のビストロ

日本橋で4年勤めた後、ステップアップのため麻布十番や半蔵門、汐留など単価の高い店をいくつか経験しました。
どの店舗でも働く合間に”シェフはこのメニューをどんな思いで作ったのか”、”何故そうするのか?”、”何故そう盛り付けるのか?”などの疑問は全てぶつけ、その都度吸収していきました。

複数店舗で学んだ後、27歳で虎ノ門ヒルズ近くの肉・モツに特化した
ビストロ「Bistro CentGrammes(ビストロ・ソングラム)」の立ち上げに参加します。
虎ノ門のビストロは元々、客として通っていた日本橋のオステリア業態の展開店であり、縁あって新店の立上げに携わることになりました。

予定地は居抜きとはいえ、築60年の相当くたびれた躯体(※1)。
専門業者にすべて任せるのではなく、建築の知識があった私が図面を引き、インテリアを製図しました。そして、水道技師の技術職を持つ同僚と、床のコーキング(※2)から基礎的な躯体はすべて自分達で仕上げていきました。

この作業はかなりキツく、さらに8月という暑い季節に工事が行われました。当時27歳だった私は体力に自信がありましたが、さすがに暑さと疲労で一度倒れてしまいました。

開店後はマネージャーとして店を切り盛りし、軌道に乗せることができました。現在では予約の取りづらいお店になっています。
「Bistro CentGrammes(ビストロ・ソングラム)」という店を短期間で一から創り上げた経験から、本当にたくさんの事を学ばせていただきました。
・何にいくらかかりどんな交渉が必要なのか
・業者様とのお付き合いの仕方
・スタッフの動線確保
・スムーズな営業のための備品配置
・スタートの販促
・店舗コンセプト
・ニーズのすり合わせ
・貫くべき事と妥協する事 など
辛い経験をたくさんしましたが、あの虎ノ門での立ち上げが成功した事は、今の自分にとってかなり支えになっています。

次へ進むことを決意させたシェフ・本店店長の存在

虎ノ門「Bistro CentGrammes(ビストロ・ソングラム)」が繁盛していく最中、職場環境に変化がありました。
お世話になったシェフが独立、さらに何かと助けてくれた本店店長が、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。

会社に必要不可欠な2人が同時に退社することに最初は動揺を隠せませんでしたが、シェフと本店店長が次の人生を熟考した結果、動き出したタイミングがたまたま重なっただけということを後で知りました。そして、よくあるような会社への不満ではなく、自己実現のための前進だったのが格好よかった。

柱となる人物が急に店を去ってしまったため、会社も一大事と大々的に人を募集しました。
たくさんの新たな出会いに恵まれましたが、当然空気感も変わり、自分が好きだった店は少しずつ、他人行儀な雰囲気へと変わってしまいます。

新しい自分の未来のため、物凄いエネルギーで自己の環境を変えていったシェフ、本店店長2人のおかげで自分自身も何か芯のようなもの、そして、生きていく上で必要な何かを探さなきゃいけないと改めて思いました。

そんな時、お世話になったインポーター(輸入業者)さんのご紹介で、自分も次へ進むことになります。28歳の時でした。

次回は「次へ進むことを決意した30代の挑戦のお話」をお伝えします。

新メニュー続々と始まっております(^ ^)

WINE & DINE Vinogrisさんの投稿 2018年11月24日土曜日

※1 「くたい」。建築物の構造体の意。
※2 床のすき間を補強する方法

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山口 裕大 (WINE & DINE Vinogris)

2018年9月にオープンしたワインセラー完備のワイン食堂「WINE & DINE Vinogris ヴィノグリ」のオーナー. 自身は店長出身で妻はソムリエール.現在は妻にホールを譲り、シェフを務めています.建築デザイナーを目指していた経歴を活かし、夫婦で仲良く0から立ち上げた完全な個人店です. パートナーと独立を目指している方の参考になれれば幸いです.